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Fly High!! ~ 彼らのStory ~

バレーボール男子応援ブログ

■夢をこの手につかむまで その6

6戦。
カナダ戦。

この試合をどう見ればいいのか、正直、自分にとっては悩ましい状況だった。
後で録画を見直そうと思ってるけれど、いまは思い出せない。


7戦。
フランス戦。

東京体育館での最後の観戦。
現地で4戦も見ちゃった。

初日に来た時にはこんな気分で試合を見ることを想像できなかった。
消化試合になる可能性があることは想定していたけれど。

この試合には石川くん、柳田くんは出ないという前評判だった。
それでも精一杯応援すると私は決めていた。
このチケットを取ったのは、確かに石川くん、柳田くんを見たかったから、残念な気持ちがなかったと言ったらウソになるけど、この激戦を見続けるうちに、最後までこのチームを応援したいという気持ちになっていたから。

試合に負けて、オリンピックに行けなくても、彼らのバレー人生は続く。
この試合を乗り越えて、行かなければ次に進むこともできない。

観戦する人は興味がなくなれば、その世界から簡単に離れることができる。
どんなに思い入れが強くても、ある日、その世界をなかったことにできる。

選手はどんなに理不尽なことがあったとしても、代表に選ばれるような選手が、その世界から簡単に遠ざかることは難しい。
だから、消化試合だろうと何だろうと、選ばれたらそこで、できることをするしかないんだよ。
そんな苦しい試合に出ざるをえなかった人たち、その試合をする人たちに少しでも支えている人がいるということを伝えたいという気持ちだったのかもしれない。

この日は私はスティックバルーンを持っていかなかった。
選手を応援したい気持ちはあったけど、あの雰囲気の一部になりたくはなかったから。
この試合にあの応援はなじまないとそう自分で判断していたから。
観戦をどうするかなんて、自分が選択していいと思っている。

空気に流される必要はない。
その結果、自分が居心地が悪くたっていい。
そんな自分の心をかき乱したのは、柳田くんがスタメンで出る予定だというニュースだった。
出なくていいよ、ともちろん思ったよ。 
見れなくて残念なんて、行く前から思わなかったよ。 
だから、なぜ、柳田くんはこの試合に出ようと思ったんだろう、と考え始めた。 
もちろん答えは本人にしか分からない。

強硬出場させるな、という論調も多かったね。
ここで無理する必要があったんだろうか?ともちろん思うよ。
でも、身体への負担や傷の痛みと、心にしごりを抱えたまま次のステージに行くのがいいのかという葛藤の中から何を選ぶか決めたのかもしれないね。

この連戦を通じて、私はより柳田くんという選手を好きになってた。

どちらかというとクールなイメージで、淡々としているように見える彼は、ハートが強くて、勝負どころで芯がぶれない。 
クールに見えるけど、心の奥には静かな闘志を秘めていて。
石川くんは感情が表に出るタイプで魅力も分かりやすいけど、柳田くんはじわじわとその魅力が伝わってくるタイプなんだろう、と。
この苦しい戦いを自分のたちの世代で締めくくって、次に繋げるために、かれは敢えて自分がそのコートに立つと決めたんじゃないかなとか、いろいろ考えた。

この試合で私は関田くんにも興味を持った。 
深津さんとは違うタイプのセッター。 
ミドルをうまく使うんだな、、とぼんやり思っていた。
あまり誰かにトスが偏らなくて、満遍なく、いいタイミングであげるなと感じたことと、トスが高めで綺麗だった。 
それはリベロが酒井さんに変ったことも遠因だったのかもしれないね。

彼らの活躍を見れたから、現地に行ってよかった。

この試合にどんな意味があったのか。 
フランスチームは控えだったから勝てて当然、と思われて勝てなかったらどうだったんだろうか?

柳田くんは3セット目は足元もバタバタしてたし、清水さんもあまり跳べてる感じに見えなかった。 
戦力を落としたフランスに勝っても意味ない、と言ってた人たちもたくさんいたけど、彼らが、この試合を3セットで終わらせたことに意味があったんじゃないの?と私は思う。

試合が終わった瞬間、今回、一緒に観戦した仲間と抱き合った。 
決して、勝利が嬉しかったからじゃない。 
喜んだけど、勝って嬉しいとはちょっと違う気持ち。 
この辛い戦いが終わってよかったね、という安堵感。

今は苦しくて、苦しくて仕方がないかもしれないけど、もう、その傷ついた脚で跳ばなくていい。

本当にお疲れさまでした。 

オリンピックの切符を手にする戦いは本当に壮絶だったね。 
見てる方も苦しかったから、やってる人たちはもっと苦しかったと思う。 
楽しそうにバレーをしていたメンバーから笑顔が消えた。

それが勝負の世界なんだよね。

次のオリンピックにOQTはない。 
東京オリンピックに向けて彼らはどこへ向かっていくのだろうね。



つづく