Fly High!! ~ 彼らのStory ~

バレーボール男子応援ブログ

■夢をこの手につかむまで その3

そんな感想を持ちつつ、試合では全力応援。

 

1戦。
ベネゼエラ戦。

試合は1セット取られるところから試合はスタート。
一つ一つのプレーがものすごく雑に感じられてはらはらしながら行方を見守る感じになった。
上手く言えないけども、ボールがつながらない、そんな印象。
こういうオリンピック枠のかかった試合で緊張してるのかな?とその日は思うことにした。
2
セット目からはなんとか持ち直したけど、大丈夫かな?という心配はぬぐえなかった。

2戦。
中国戦。

この試合も勝つつもりで選んだ試合だったのだと思う。
でも、この日のチームはほとんど機能してなかった。
何が起っちゃったの?
いや、中国が恐ろしく強いのか?
を自分の中で自問自答しながら、見続ける試合。
正直、点を重ねても、リードしてもセットを取れる感じがまるっきりしなかった。
えも言われぬ絶望感だけが私の中に小さく芽生え始めた。
本当にこのチームはオリンピックに行くための準備ができてるのだろうか?と疑問に感じていた。

3戦。
ポーランド

前日にフランスとポーランドの激闘を会場で見ていた。
2
セットまではフランスがあらゆる面で勝っていて、まったくポーランドを寄せ付けなかった。
このまま試合が終わるのだろうと思っていた矢先、3セット目、マッチポイントを握られたのをひっくり返し、連続してセットを取って勝利した追い上げた様子を見ていたから、もし日本が中国戦ままだったら何もできずに終わるな、と予測していた。

私の予想を裏切って、接戦にまでは持っていったけれど、セット後半でブレイクされて持っていかれる決まったパターンの展開。
このチームには何か足りない、、、それは分かっていた。

足らない上に、ベンチまで混乱してる状態を露呈してた。
ポジション間違えるなんて。
コートにセッター2人にしちゃうなんて。

自分ができるとは一ミリも思ったりはしないけど、監督やベンチはもっと冷静でいてほしかった。
ネットを挟んで敵と向き合っている選手の足を引っ張ることは少なくともしてほしくなかった。

盛り返そうとしたときのその混乱は致命的だった。
あっさりとセットを落とし、ストレート負け。
相手のポテンシャルを考えると仕方がないのだけれど、せつない気持ちでいっぱいだった。


実は、この日、私にはとても気になることがあった。
チームの得点をもぎ取っていた石川くん。
サーブこそ数は決まらなかったけど、接戦になったのは彼の活躍があってこそ。

この日あたりから(テレビで落ち着いて見たからきづいたのかもだけど)、スパイクを打ったあと、着地の時に崩れ落ちたり、ポールにつかまったり、起き上がるのにネットを使ったり、そんな場面を見ることが増えた気がしていた。

事前に見た特集では、「ジャンプ膝」で跳べない時期があったと、OQTに間に合ったと言っていたけど、それは本当だったの?と思い始めていた。
まさか、間に合ってなかったけど、オリンピックの枠のために無理やり跳ぶことにしたの?と疑問が頭をよぎる。

この日、イランが翌日の日本の試合に備えて、エースを温存したと聞いた。

勝ち星を計算して、勝たなければいけない試合にリソースを集中するという考え方はものすごく合理的。
私は勝つためにそういう手段をとることをポジティブに捉えるタイプだけれど、日本の世論はちょっと違う。
どんな時も、全力で戦って、圧勝することが勝つこと、のように定義している人が多いと常々スポーツ観戦のあとのコメントを見て感じていた。
だから、明日のために温存なんて、考えないんだろうな、きっと。

そんな相手に明日は大丈夫なんだろうか?と不安に感じ始めていた。

そういう時の私の悪い癖は、自分の不安が本当なのか、どうなのか裏付けようとしちゃうこと。

ワールドカップの時の石川くんと、今の彼のパフォーマンスを見比べる。
何も変わってないようには見えなかった。
跳び方も、フォームも、体のバランスも何かが違うように見えてくる。

ああ、妄想だ、と自分に言い聞かせようとした。
イランに勝って、オーストラリアに勝って、オリンピックへ行くんだと念仏のように唱えていた。


つづく