■夢をこの手につかむまで その2
ワールドカップでオリンピックの切符を取れなかったチームに、OQT(世界最終予選)というものがあるのを知った。
今までテレビでやっている時だけ、バレーボールを見る、というスタンスだったので、この競技の国際大会がどうなっているか、オリンピック選考がどうなっているか、さっぱりわからなかった。
それを調べる作業から始まる。
そして、一緒にバレーにハマった友達と、絶対にOQTを見に行こうね、と約束していた。
思ったよりもとりにくかったチケット。
それでも何とか数日分をそろえて、5月28日(土)にその場所にたどりついた。
このOQTに向けてのプロモーションはビビるくらいにすごかった。
NEXT4がらみで出版された雑誌、テレビ番組への出演。
この人気を利用しようという空気は初めから見て取れた。
こういうことをネガティブに捉える人が多いのも知っている。
この時期に必要だったのか?という意見を言う人たちも多いかもしれない。
とくにこんな結果が出た後には。
でも、スポーツでお金を集めて、選手を育て、メダルを取らせるためには、ある程度、必要な行為なのかと私は思っている。
マイナースポーツの関係者はそのスポーツをやってくれる人の裾野を広げ、見て楽しんでくれる人を見つけ、世界に通用する選手を育てるために必要なことの一つがメディアへの露出で、知ってもらわないと始まらないことを知っている。
カーリングを例に挙げると、女子の世界選手権は全試合を予選から放映されるけれども、男子は決勝リーグに行って初めて放映される扱い。
そういう世界を見てるので、バレー男子にはこういうこともまだ必要なんだな、とぐらいにか思わなかった。
初めてたどりついた会場は今まで自分が経験したことのない空間だった。
テレビで見てるときにあまりにもそろいすぎている応援が不自然だな、と思ってたのだけれど、日本の試合が始まる前に、応援練習のような時間があったことに驚き。
超ホームの環境を作るためなんだろうなとは思ったけれど、心はちょっとモヤモヤ。
私は純粋に彼らのパフォーマンスが見たくて、自然にプレーに驚いたり、歓声を上げたいと思ってた。
応援がコントロールされてる世界ってちょっと自分にとっては奇妙な世界だったんだよね。
ま、あくまで違和感でしかなくて、否定ではないのだけれど。
そして、初戦はまるでショーのようなオープニング。
これは本当にオリンピックの権利をとるための戦い何だろうか?と疑問を抱くほど。
人を集めるために、必要だったのかもしれないけども、ジャニーズも。
でも、何かが違う気がする、という違和感はもっともっと育っていった。
初戦の戦いに挑むために入場してきた選手は引き締まった顔をしていたので、それを見てようやくここがどういうところだったかを思い出す。
そう、リオの切符を手にするための場所。
しかも日本から見たら格上の相手ばかり。
開催国の権利で最初の2試合は相手を選べるという仕組みらしく、勝てるだろう相手を選んだ試合。
ということは、負けることができない、試合ということ。
私は事前にいろいろ知りたくて調べたけれど、そういうことを知らずに応援していた人も多いんじゃないかな、とふと思った。
試合が始まって、なんだか、チームがまとまっていない感じを受けた。
少なくとも私がテレビで見てたあのワールドカップの時のチームとは別のチームのようだった。
つづく